2013年2月24日日曜日

Leadership Development Program -将来リーダーになりたければ、UNC Kenan-Flaglerへ-

Class of 2014のTetsuです。

今回はUNC Kenan-Flaglerの誇る、Leadership Development Programを紹介します。本校最大の教育目的は、「将来のリーダーを養成する」ことに尽きます。一企業のCEOやCFOであれ、一部門のGMであれ、または一組織のManagerであれ、その階層に関わらず全ての卒業生が自分の職分でリーダーとなることを目指しています。そしてリーダーは、アカデミックなHard skillと合わせてInterpersonal skillやLeadership skillなどのSoft skillも身に付けているべきであり、非常にハードコアな勉学の時間の合間を縫って、Soft skillを習得する為の多数の仕掛けも用意されています。本稿では、そのSoft skill養成の仕組みに焦点を当てて紹介させて下さい。


1. AACSBが一目置く、UNC Kenan-Flaglerの一流プログラム。

皆さんご存知の通り、近年のビジネスは益々ボーダーレス化し複雑化しています。過去のベストプラクティスがそのまま将来ケースに当て嵌まることも期待出来ません。その中、柔軟に、物事を多面的に捉え、如何なる環境下でも問題解決に積極的に取り組めるリーダーが必要です。世界中のビジネススクールがその重要性を理解しプログラム開発に取り組む中、長らくこの課題に取り組んで来たUNC Kenan-FlaglerのプログラムがAACSB(マネジメント教育の評価・認証期間)から認められ、両組織間にてパートナーシップが提携されました。今年1月にはAACSBが30校以上のビジネススクール関係者を率い、本校にて研修を受けに来ました。私も生徒組織であるLeadership Advisory Boardの一員としてその研修一部に参加し、他校関係者から質問攻めに会う中、生徒代表として自身の経験例・Take Away等をシェアして来ました。
http://www.aacsb.edu/media/releases/2012/AACSB-and-UNC-Kenan-Flagler-Partnership.asp
http://www.kenan-flagler.unc.edu/news/2013/02/leadershipdevelopment


2. リーダー形成方針

本校のリーダー形成方針は以下の4点にて構成されています。

(1) Principles

理念無くして行動無し。ゲストスピーカーのリーダーシップ経験談を聞くことや、授業でリーダーシップや組織論について学び考えさせられる機会が多々有ります。Ethicsもコア科目として受講が必須となっており、100%正しい答えなど存在しないとした中、物事には必ず多面性が有ることを理解した上で、自分なりの主張を纏め上げる訓練を施されます。

(2) Practice

実践無くして学び無し。シミュレーション研修など、多数の実践機会が用意されております(具体例は以下に記述)。

(3) Feedback

他人からのFeedback無くして気付き無し。耳の痛い内容でも、信頼し合えるCoach・PeerからのFeedbackは、ストレート且つパワフルに自分の強み・弱みを認識させてくれます。これも、「自分だけ良ければ良い」などという人間のいない本校コミュニティーならではこそ成立する、素晴らしい学びの機会の一つです。

(4) Reflection

振り返り無くして成長無し。一連の学びを次のステップに繋げるには、腰を据えて振り返りを行うことが欠かせません。本校では、Peer同士でのDiscussionのみならず、ビジネス経験豊富なExecutive Coach(Multi-National FirmでのHR-SVP経験者や、Investment BankでのCEO経験者など、文句無しのクラスが多数在籍)と1対1で話し合うことも可能で、ボンヤリした学びをしっかりと形にして次のアクションに繋げることが可能です。


3. 実践例

(a) シミュレーション

本校1年次にて、通常の勉学とは別にLeadership Creditを12単位以上取得することが求められています。その単位を取得する為、多数のシミュレーションが用意されており、生徒は各自興味の有るものを組み合わせ、12単位以上を取得する仕組みになっています。以下に数例を紹介しますが、プログラムのほとんどは外部組織と協業の下、UNC Kenan-Flagler独自に開発されたものです。

• New Leader Simulation

自分が新しくGMに就任した前提にて、とある問題に対して異なる部門・部下が様々な意見・要望を打ち上げて来ます。時間的制約と立場上のプレッシャーが有る中、最も効率的に組織を動かす為、それぞれのConflictに対してアクション・指示を下すことを求められます。その後、自分の行動の背景に有る考え方について、Coach・Peerと共にReflectionを行います。

• AWAKA Simulation

経済発達した国が、比較的経済発達していない国に対して援助を申し入れるというシミュレーションです。学生を2つのグループに分け、それぞれの国の住民と仮定します。経済発達した国は経済や教育面での援助を申し入れ、その後の交易拡大を狙ったWin-Winの関係構築に持ち込もうとするが、援助を受ける国側のメンバーは、その行動背景が理解出来ないが故に疑心暗鬼となり、交渉が難航します。室内には異様な雰囲気が流れるものの、シミュレーションを通じて、異なる文化と接する際のコミュニケーションの行い方、異なるInterestを持つ相手側への敬意の示し方、集団内での階層を跨いだリーダーシップの取り方などを学びます。

• FIRO

始めに学生各自の性格診断を行います。その後、Peerと共に、それぞれの診断結果についてDiscussionを行います。診断結果には、それぞれの性格の強み弱み、そして相手からの受け止められ方、その改善方法まで提案されており、それぞれを細かく話し合うことによって、自身のコミュニケーションスタイルについて考え改めることが出来ます。本シミュレーションが学ばせてくれる肝は、全ての性格に良し悪しなど無いということ。等身大の自分を受け入れ、自信を持ち、それをレバレッジすることの大切さを気付かせてくれます。

(b) Student Clubのリーダー

いわゆる生徒クラブですが、学校側からは積極的にPresidentやVice Presidentという立場に立候補するよう、促されます。これは組織をリードするPractice・実践の一環として見られており、特にPresidentに選ばれた学生(1学年で30人前後)は特別にLeadership Courseに招待され、各クラブのPresidentのみで構成されるクラスでLeadershipについて学ぶ機会を与えられます。公式授業として単位も与えられる中、ケーススタディーに始まり、各クラブのMission Statementの強化、Executive CoachとのOne-on-One Coaching、などに毎回の授業で取り組んで行きます。

(c) メンター制度

クラブ活動以外にも本校にはリーダーシップを発揮する機会は豊富に有り、その一つがメンター制度です。2年生になると、1年生のコア科目チーム(学校側から一方的にAssignされる)をリードするメンターや、1年生のキャリアサーチをサポートするキャリアメンターなど、メンターという形でリーダーシップを発揮することが出来ます。特にキャリア構築の成否が全学生の最大関心事項である中、キャリアメンター制度は1年生・2年生間の師弟制度として絶大な効力を発揮しており、過去からの就職実績がその効力を物語るのみならず、本校コミュニティー内の結束をより強固にしているとも言えます。

(d) Core Value Award

本校は、Excellence / Leadership / Integrity / Community / Teamworkという5つのCore Valueを持ち、5つそれぞれの分野で活躍著しい学生が、半期に一度、表彰を受ける仕組みが有ります。選抜の仕組みとしては、始めに学生同士が投票を行い、ノミネートされた学生達を学校側のスタッフ及び2年生の各分野リーダー達が評価し、真剣な協議を経て決断を行います。投票する学生達も自分の学校のクオリティーを維持・向上させることの重要性を理解しており、真剣に投票を行います。我々日本人学生からも2年連続で表彰者が出ており、本校コミュニティーに対する貢献意欲を益々盛り上げてくれるものとなっています。


以上がUNC Kenan-FlaglerのLeadership Development Programの概要ですが、Soft skillという一見掴み所の無い内容に対して学校側も学生側も、正面から真剣に取り組んでいることをご理解頂ければ幸いです。そして是非、一人でも多くの皆さんが本校にいらして頂き、この素晴らしいProgramを受講して頂けることを願って止みません。


AACSB・UNC Kenan-Flagler共催研修後のReceptionにて

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